クリスマスケーキはどこを予約しようか
母にたずねる。
家では母の意見が絶対だから
何をするにもお伺いを立てなければならない。
美味しいところならどこでもいい
と言ってから
いやあそこはだめよ、あそこは儲かっているからいや
と最近店舗を増やした店名を挙げ
顔をしかめる母
母は美味しいものが大好き
美味しければ基本的に文句は言わない
でもその中に例外があって
その店が儲かっていたら
母的にOUTなのだ。
かといって
今にもつぶれそうな店が好きかといえば
好きではない
店舗を広げ資金繰りのため
ケーキが美味しくなくなった
サービスが悪くなった、材料が粗悪になった
そういった正当な理由からではなく
単なるねたみ、ひがみ。
これ以上儲からせるものかと
母の中の反骨精神の表れなのだそうな。
小さい小さすぎるよお母さん。
母は自分よりしあわせな人が大嫌い
宝くじが当たって店を大きくした寿司屋も
金持ちと結婚をしたこどもを持つ親も
みんなみんな大嫌い
祖母とまた喧嘩をしていた
喧嘩でなく物忘れのひどい祖母を心配しいるのだ
と母は自己弁護した
祖母は馬鹿じゃ呆けじゃ言われて
自分が優越感に浸りたいだけだかね
と顔を真っ赤にして怒っている。
喧嘩は何も生み出さない
嫌な感情が残るだけ
母は自分が正しいと思えれば
気持ちがすっきりすれば
祖母の気持ちはお構いなしに喧嘩を吹っかける
80過ぎた祖母が小さくなった身体をもっと
ちぢこまらせて泣いていた
そうすることによって母は何を得るのだろう
そこまでして何を得たいのだろう
母がそねみねたみの感情から解放されるのはくるのだろうか
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