友チョコを貰って帰宅。
「あんた男だったのね」
おばあちゃんはチョコを見ながら言う。
昔は友達からチョコレートを貰う
「友チョコ」なんて風習はなかっただろう。
祖母は戦前生まれ、「ギブミーチョコレート」世代だ。
マナさんがキットカット3種(ストロベリー、ピーチ、チェリー)をくれた。
コタリンはクッキーとトリュフをくれた。
私はお返しに京都の抹茶チョコをあげた。
テーブルに目をやると
キットカットが1個なくなっている。
「さくらんぼうは山形を思い出すねぇ」
と祖母が言っていたからたぶん食べたのだろう。
母が食べようとすると
「これはえーすが貰ってきた」
食べさせないように防御する祖母。
「食べるためのものだから
食べたい人が食べていいんだよ。
さっきさくらんぼ味食べたでしょう」
祖母に聞くと
「覚えてない」
祖母は真顔で答えた。
祖母の手には食べた後のごみが握られている。
そういえば
弟がネットで抹茶のスイーツセットを購入した時
祖母は宅配便を受け取って隠していた。
冷蔵庫に入れたときは
弟が東京に戻った時で
賞味期限が切れて
「いつ届いたものなの」
母がキレた。
それも今となっては笑い話。
祖母は年を重ねるとともに
食い意地が張ってきている。
祖母が
「こんなもの食べるのはじめてじゃ」
お決まりの台詞をいい
笑顔でチョコレートを食べている。
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