玄関に置いてあった
ハカラメ(セイロンベンソウ)の皿がなくなった。
葉っぱのいろんなところから
にょきにょき芽が出てくるのを見るのが楽しみだった。
葉から分かれ鉢植えにした芽は今2本。
まだまだ増える予定だったのに
どこにいったハカラメ。
母もハカラメの成長を楽しみにしていたひとりだ。
私も知らない
母も知らない
消去法でいくと皿を移動させた人物はひとりしかいない
祖母だ。
祖母は片付けるのが大好き。
自分の部屋は片付けないのに
他人のもの、しなくていいものを片付けるのが大好きだ。
そして自分が片付けたことを忘れるので
片付けられた方としてはあるべき場所に物がなくて
さがすのに時間を要する。
先週末自動車の鍵が洗面台にあった時はびっくりした。
「分からなくなるからしないで」と母が声を荒らげても
嫌がらせのように片付けるのが
頑固な祖母らしいところだ。
「お母ちゃんここにあった皿はどこにやったのね」
母が聞くと
祖母はどこからともなく皿をとりだしてきた。
「皿に入ってた葉っぱはどこにやったのね」
と聞くと
しばらくごそごそいろんな場所をさがしていた。
それから
「泥棒がとったのかね。あたいは知らんよ。
とらんよ葉っぱなんか。
大切にしている葉っぱなんかかからないもん」
と真顔で言い出した。
「皿はどこにあったの。
どうして皿の場所が分かったのね」母が問い詰めると
「あたいは何も知らん
ぼけてるぼけてるって全部あたしのせにすれば気が済むんでしょうが
馬鹿にしっせえ。あんた達はさぞ頭がいいんでしょうよ」
祖母が逆切れ。
逆切れされて、祖母が本気で知らないと言い張るので
母もこれ以上言っても埒があかないと
移動させたのは祖母だが
もう移動させた事を憶えている祖母はいないんだと
今いる祖母は本当に何も知らないんだと
あきらめた。
すると急に
「皿から葉っぱがなくなったって本当ね
誰がとったんだろうか。泥棒じゃろうかい」
5分前の祖母の言葉がそっくりそのまま出てきた。
リピート機能がついているかのようだ。
これには母も絶句した。
ハカラメはどこからか出てくるからいいだろう。
ハカラメがなくなっても死ぬわけじゃない
朝日は東からのぼる。
ただ
祖母の認知症は日増しにひどくなっている。
祖母が健康であることは家族の平和の証である。
ぼけても祖母がいつまでも元気でありますように。
笑顔で家族仲良く過ごせますように
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